A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
 その能力を使いこなしているように見えるが、本当はそうじゃない。
 能力とは、使う本人がそれを全て理解してこそ、その本当の力を発揮する。
 だが美樹はこの戦闘を何とかしたい一心で、無理に力を使っている。
 その証拠に、美樹の息は乱れ、肩で荒く呼吸を繰り返している。
 店を・・・彩を守る結界も、まるで鉄の壁のようだった。
 あんな風に力を使っていたら、美樹の身体が保たない。


「彩にも手出しはさせないわ。だけど、自分の願いを全部叶えようなんて、確かに虫が良すぎるわよね」
「ほう・・・では、どうするというのだ?」
「――・・・あなたの望み通りに」


 真っ直ぐにアヤカシを見上げ、美樹は言った。
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