A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
「彩!」


 あまりにも一瞬の出来事に、美樹はどうしていいのか分からずに彩に駆け寄り、その身体を抱き起こす。
 ダメだ。
 呼吸もままならず、彩は必死で自分を抱き起こそうとする美樹に視線を送る。
 今このタイミングで、敵への集中が途切れたら、格好の的だ。


「美樹、ダメだ、逃げ・・・」


 呻きながら、彩は必死で美樹に逃げろと言おうとするが、上手く息が出来ない。
 それどころか、さっきよりも数段大きな気の集中を感じる。
 まだ美樹の結界は生きているが・・・このままでは、何処まで保つか分からない。
 いくらその力を多少使いこなせるようになったとは言え、美樹には戦闘経験がない。
 相手の攻撃に対して、どう対処していいのかが分からないのだ。
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