A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
 彩は微動だにせずに対峙しているリュウとアヤカシを見つめた。
 近くにいるだけで、この砂浜一帯に、凄まじい気のぶつかり合いを感じる。
 吹き荒れる自然の嵐とはまた違う、壮大な気の流れ。


「再び合いまみえようとはな」


 実体を解いたまま、アヤカシは言った。


「こう見えて、根に持つタイプなんでね」


 片手をポケットに入れ、リュウはアヤカシを睨み付けた。
 美樹は、そんなリュウを見つめている。


「・・・ごめんね、彩」


 いきなり謝る美樹に、彩は「えっ?」と、聞き返す。


「あの人・・・リュウが言ってた事は本当なの」


 悠と諒がアヤカシに消し去られる直前、美樹が向こうに二人を帰した事。
 美樹は知っていた。
 悠と諒が、元は1つの人格から別れた2人なのだと。
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