A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
「さっき、何か美樹ちゃんに言いかけたよね?」
「うん・・・何だか、美樹さんが、違う人みたいに見えたの」


 心配そうに美樹を覗き込みながら、友香は言った。
 悠は、心の中で舌を巻く。
 違う人とまでは行かないが・・・友香の見解は、間違ってはいない。
 本人の素質もあるのだろうが、一度アヤカシに操られた経験がある友香は、多少なりとも何かを感じる力を、身に付けている。
 それも、素直に、真っ直ぐに。
 そんなところは彩に似ている、と、悠は思った。


「家の人には、後で俺から連絡しておくよ。ごめんね、友香ちゃん」
「大丈夫、ウチの両親も、この喫茶店が大好きだから」


 友香はそう言って笑った。
 美樹の意識は戻らない。
 昨日の来客の置き土産、とでも言おうか。
 やはり、影響が出ている。
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