A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
 気が付くと、ボロボロに傷付いたリュウがいる。
 それを冷ややかに見下ろすアヤカシ。


(これは・・・?)


 美樹は辺りを見回した。
 だが、今みんなが戦っている筈の海岸の光景ではない。
 何もない、まっさらな空間だった。
 それに、リュウもアヤカシも、美樹にはまるで気付いてはいないようだ。


“ふざけんな!”


 必死で立ち上がろうとするリュウ。
 美樹は、見ていられずに思わず目を伏せた。
 今のリュウの状態は・・・とても、戦えるとは思えない。


“私に挑んでくるとは・・・無謀だな。これだけ力の差があるというのに”
“戦いにはなぁ、いつも理由があるんだよ”
“ほう。どんな理由が?”
“1つは、この俺にケンカ売った事。もう1つは・・・”


 言いながら、リュウは右手をアヤカシにかざした。


“俺の仲間に手ェ出した事だ”


 ボロボロに傷付きながらも、気迫のこもった瞳でアヤカシを睨み付けるリュウ。
 その言葉を聞いて、美樹の心臓がどきんと脈打った。
 だがそれは美樹ではなく、首に掛けたペンダントが反応したように思えた。


(まさか・・・!)


 美樹は悟る。
 これは、美樹が生まれる前の光景だ。 
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