A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
“仲間だと? 笑わせるな。人間界に堕ちたアヤカシなど、存在する価値もない”


 アヤカシは言った。
 人間界に堕ちたアヤカシ。
 美樹にはそんなアヤカシに、1人だけ心当たりがあった。
 まるで泣いているかのように、何かを訴えかけるように、桜貝のペンダントは熱を帯びて。


(お母さん!)


 美樹は、ペンダントを両手で固く握り締めた。
 リュウは、美樹の母親の事を“仲間”だと言った。
 人間界に堕ちたアヤカシ。
 この時、美樹の母親はもう、人間である父親と結ばれていた。
 今、リュウと対峙しているアヤカシは、美樹の母親をも消滅させようとしていたのだ。
 それを、リュウが阻んでいる。
 こんなにも力の差が歴然としているのに。


“存在する価値?”


 かざした右手に気を集中させながら、リュウは真っ直ぐにアヤカシを睨み付けて。
 それと同時にアヤカシも、手の平に赤い光を生み出している。


“テメェなんかに、俺達の価値を決められる筋合いはねぇよ”


 美樹ははっとして、顔を上げた。
 2つの衝撃波が、ぶつかり合う。
 想像を絶する力のぶつかり合いだった。
 ――・・・だが。


“・・・っ!!”


 リュウの身体が、力に押されて後ろに下がる。


“お前の戦いの理由は愚かだな。まるで人間のように”


 更に気を込めて、アヤカシは言った。
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