A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
「この道、閉じれる?」


 こんなふうに彩が美樹を頼るのは、初めてだった。
 今までは、美樹が滞りなく普通に過ごせるように、ただ守ってくれるだけだったのに。
 美樹は笑って。


「出来るわ」


 力強く、そう答えた。
 空間を繋ぐという美樹の力が今必要だと、彩は判断した。
 そして美樹は、確信している。
 さっき見たアヤカシの世界での出来事。
 リュウと美樹の母親の関係、リュウとアヤカシとの因縁、そして、最後に現れた、小さな光。
 リュウが消える直前に手を伸ばした、その小さな光。
 それが、彩だ。


「アキラくん、マリちゃん」


 美樹は二人に呼び掛ける。


「ここまで連れて来てくれて、ホントにありがとう。今なら、向こうに帰れるよね?」
「んー・・・」


 立ち上がり、アキラはぽりぽりと頭を掻いた。


「ねーねー、美樹はー、これから道を閉ざそうとしてるのよねー?」


 マリも立ち上がると、制服についた砂を払って美樹を見つめた。


「そうよ。だから、帰るならいまのうちに」
「俺ら、やっぱりここにいるよ」


 美樹の言葉を遮って、アキラは言った。
 えっ、と美樹は驚いて。


「でも・・・!」
「あたし達ー、美樹の力になりたいのー」
「だよな。まだ雑魚の撃退くらいは、出来るしな」


 二人は顔を見合わせて、うんうん、とうなづく。
 そこへ彩が割って入って。


「お前たちだって限界だろ。道を閉じたら、力の補給は出来ないんだよ。あとはお互いにひたすら体力を消耗するだけだ」
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