A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
「美樹? どうしたんだよいきなり?」
「聞いて、彩」
抱きついたまま、彩の耳元で美樹は言う。
「彩が彩でいてくれて、ありがとう」
「・・・え?」
意味が分からずに、彩は聞き返す。
「彩が生まれてくれたから、悠くんや諒くんに会えたの。でもね、彩じゃなきゃダメだった」
「意味分かんないよ、美樹」
苦笑しながら、彩は言う。
前回のアヤカシとの戦いで、リュウが消える直前に現れた、1つの小さな光。
あれは彩だという事を、美樹は確信していた。
その小さな光に吸い寄せられるように、リュウは手を伸ばす。
消える寸前に、思う。
このまま仲間を守ることも出来ずに、消えたくない。
何とかして生き延びたい。
リュウは、心の底からそう思った。
誰でもいい、縋る事が、許されるなら。
“こっち、だよ”
その小さな光は、リュウに手を伸ばす。
その手が触れた瞬間、リュウは消えた。
「・・・それが、あたし?」
呆然と聞き返す彩に、美樹は笑って。
「何故、彩に生まれつき力があったのかは分からない。だけどあの時、彩がリュウくんの手を取らなかったら、あのまま消えてたわ」
信じられないな、と、彩は苦笑する。
「産まれる前の事なんて、覚えてないよ」
「でもわたし、ちゃんと見たのよ。ねぇ彩」
呼びかけて、美樹は彩に抱きついているその手に、力を込めた。
「運命なのよ」
「え?」
「彩がリュウくんの手を取ったその時に、確かにリュウくんは消えたけど・・・その代わり、悠くんと諒くんが生まれたの。それはね、彩じゃなきゃダメだった」
悠と諒が生まれたから、リュウは完全に消えずに済んだ。
何故かは分からない。
だけど、この世界に生きる全ての者も、アヤカシの世界に生きる全ての者も。
どうしても抗えない、目に見えない力が作用する時がある。
それを表現する言葉は『運命』としか美樹には思いつかないが、もっともっと、それ以上の言葉で言いたい。
運命という以上に、持って生まれた絆。
いや、産まれる前から決まっていた、出会い。
魂で繋がっている存在。
「聞いて、彩」
抱きついたまま、彩の耳元で美樹は言う。
「彩が彩でいてくれて、ありがとう」
「・・・え?」
意味が分からずに、彩は聞き返す。
「彩が生まれてくれたから、悠くんや諒くんに会えたの。でもね、彩じゃなきゃダメだった」
「意味分かんないよ、美樹」
苦笑しながら、彩は言う。
前回のアヤカシとの戦いで、リュウが消える直前に現れた、1つの小さな光。
あれは彩だという事を、美樹は確信していた。
その小さな光に吸い寄せられるように、リュウは手を伸ばす。
消える寸前に、思う。
このまま仲間を守ることも出来ずに、消えたくない。
何とかして生き延びたい。
リュウは、心の底からそう思った。
誰でもいい、縋る事が、許されるなら。
“こっち、だよ”
その小さな光は、リュウに手を伸ばす。
その手が触れた瞬間、リュウは消えた。
「・・・それが、あたし?」
呆然と聞き返す彩に、美樹は笑って。
「何故、彩に生まれつき力があったのかは分からない。だけどあの時、彩がリュウくんの手を取らなかったら、あのまま消えてたわ」
信じられないな、と、彩は苦笑する。
「産まれる前の事なんて、覚えてないよ」
「でもわたし、ちゃんと見たのよ。ねぇ彩」
呼びかけて、美樹は彩に抱きついているその手に、力を込めた。
「運命なのよ」
「え?」
「彩がリュウくんの手を取ったその時に、確かにリュウくんは消えたけど・・・その代わり、悠くんと諒くんが生まれたの。それはね、彩じゃなきゃダメだった」
悠と諒が生まれたから、リュウは完全に消えずに済んだ。
何故かは分からない。
だけど、この世界に生きる全ての者も、アヤカシの世界に生きる全ての者も。
どうしても抗えない、目に見えない力が作用する時がある。
それを表現する言葉は『運命』としか美樹には思いつかないが、もっともっと、それ以上の言葉で言いたい。
運命という以上に、持って生まれた絆。
いや、産まれる前から決まっていた、出会い。
魂で繋がっている存在。