A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
 それを言ったら、彩は笑って。


「いくらなんでも大袈裟だろ」
「ううん。そんな事ないわ」


 あー分かったよ、と、彩は降参したように肩をすくめた。
 そして、そっと美樹を抱き返して。


「じゃあ、あたしが美樹と出会えたのも、運命だな」
「・・・うん、そうよ」


 美樹は目を閉じる。
 何故、鳥は空を飛ぶのか。
 そんな事、考えるだけ無駄だ。
 その羽に刃が付いていようと、空を羽ばたきたくなかろうと。
 自分という存在が、ここに生きている。
 それが一番、大切なこと。
 そして、誰かと一緒なら。
 どこまでも、強くなれるのだ。


「・・・彩」


 顔をあげて、美樹は呼び掛ける。
 彩はうなづいて。


「じゃ、リュウのとこ、行ってくる」


 美樹から離れ、そう呟いた。
 ゆっくりと息を吐いて、美樹は中空を見つめた。
 その身体から、一気に気が溢れ出す。
 この空間を全て、包み込むように。


「アキラ、マリ」


 この一帯の空気が変わったのを感じて、彩は二人に呼びかけた。
 名前を呼ばれ、嬉しそうに彩を見つめる二人。


「早目に決着つけるからな、お前らもうひと踏ん張りして美樹を守ってくれる?」
「あぁ、分かったよ」
「彩もー、頑張ってねぇー。名前、呼んでくれてありがとぉー!」


 頼んだよ、と、彩は笑って海側に向かって跳躍した。
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