A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
「ここにいたよ、イチイチ数えてるヤツが」
「別にイチイチ数えたんじゃないよ。集中してるから、数えなくても頭に入るんだよ?」


 至極当然のように、悠は言って。


「いくら8匹とはいえ、彩の実力ならあんな低級なアヤカシに攻撃食らったりしないと思うんだけどな。もうちょっと集中してたら、10匹くらいは無傷でいけたんじゃないのか?」
「あ~ハイハイ、すみませんでしたねぇ」


 頭の後ろに手を組みながら、彩は歩き出す。


「しかし、今日はやたらと多かったな」


 これ以上ここにいるとまだ悠に小言を言われそうだと、どんどん進んでいく彩を見送りながら、諒は言った。
 悠が頷く。


「うん、美樹ちゃんが風邪気味だからね、もしかしたらそれも関係しているのかも知れない」
「という事は・・・」
「少しずつ、美樹ちゃんの力が回復しているのかもね。まだ確信はないけど・・・」


 そう呟く悠の表情は、複雑だった。
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