A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】





「道を閉じたか」


 アヤカシは、美樹の方を仰ぎ見た。
 だが、美樹に攻撃を加える隙を与えないくらい立て続けに、リュウはアヤカシを攻撃し続けている。
 まるでうざいというように、アヤカシはその攻撃を受け流して。
 それに加え、彩もアヤカシのほんの一瞬の隙をついて、攻撃を仕掛けてくる。


「さすが美樹だな。後はお互い、どっちが早く力尽きるかってことか」


 そういうのは嫌いじゃねぇなと、一旦砂浜に着地して、リュウはニヤリと笑う。
 その途端、アヤカシの放った衝撃波がこっちに向かってくる。
 リュウは片手1本で作り出した防御壁でそれを凌ぎ、再びアヤカシに向かって跳躍する。
 アヤカシはリュウの攻撃を軽く凌いで言った。


「消耗戦で不利なのは考えなくても理解出来るだろう。道を閉ざした所で戦いの結末は変わらぬ」
「やかましい。こっちは根性だけならお前なんかに負けないんだよ!!」


 群がる低級なアヤカシ達を避けながら、彩はアヤカシに飛びかかる。
 すかさずリュウがフォローに回り、即席で張った結界でアヤカシの動きを一瞬封じた。
 だがその結界は直ぐに破られる。
 彩の攻撃が届く直前だった。
 アヤカシが彩に手を伸ばし、だが彩は体勢を立て直す事が出来ずに、そのままアヤカシに突っ込んで。


「愚か」


 衝撃波が、彩を狙う。
 リュウが再び動いて、彩とアヤカシの間に割って入る。


「リュウ!!」


 リュウと彩は、一緒に弾き飛ばされた。
 地面に激突する直前に、リュウが落下地点に防御壁を作り、難を逃れる。
 一瞬、一瞬の攻防戦だった。


「おい、リュウ」


 すぐさま起き上がりながら、彩はリュウに声をかける。


「なんだよ?」
「あんたが本調子じゃないのは分かってる。あんまり無茶すんなよ」


 未だに実体化を解かないリュウ。
 それが何故なのか、彩には分かっていた。
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