A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
間違いなく、ここは美樹にとっての現実世界で。
海岸のほとりには、みんなで過ごした大事な喫茶店『free‐time』が見えていて。
この砂浜だって今は淋しいが、夏になれば大勢の人達で賑わう。
そして、ここには、彩がいる。
リュウもいる。
アヤカシの世界に帰らずに戦ってくれたアキラとマリも、2人寄り添って、これから目にするだろう光景の凄まじさを、ただじっと見つめる事しか出来ない。
これから起きる、運命の瞬間を。
「・・・これが、運命・・・」
美樹は、もう一度、呟いた。
☆ ☆ ☆
「どうして来たんだよ」
隣に降り立った彩に、リュウは言った。
「さぁね。ここまでデカい気がぶつかり合ったら、もう逃げ場はないんだ。それなら、あたしはあんたのそばにいる」
リュウは、そう言う彩を見つめた。
攻撃体制に入っている訳ではなく、彩はただ、そこに立っていた。
その横顔は怯えているようには見えず、むしろ少しだけ満足そうな表情だった。
そして、その右手には、ピンクの桜貝をあしらったかんざしが握られていて。
「――・・・分かった」
リュウはそう言って、実体化を解いたままの左手を、彩の右手に重ねた。
「この世の理を歪め、己の欲望だけに生きる者よ。今度こそ跡形もなく消しさってくれよう」
アヤカシは、すっと片手を持ち上げて、こっちに向けた。
リュウも真っ直ぐに、アヤカシに向かって右手を伸ばす。
「リュウ」
前を向いたまま、彩は言った。
「お前には、あたしがいる。そして美樹もね。だから」
地鳴りのような轟音と共に、リュウとアヤカシは同時に、最大級の衝撃波を放つ。
“一人じゃないんだよ”
そんな彩の言葉は、轟音にかき消された。
海岸のほとりには、みんなで過ごした大事な喫茶店『free‐time』が見えていて。
この砂浜だって今は淋しいが、夏になれば大勢の人達で賑わう。
そして、ここには、彩がいる。
リュウもいる。
アヤカシの世界に帰らずに戦ってくれたアキラとマリも、2人寄り添って、これから目にするだろう光景の凄まじさを、ただじっと見つめる事しか出来ない。
これから起きる、運命の瞬間を。
「・・・これが、運命・・・」
美樹は、もう一度、呟いた。
☆ ☆ ☆
「どうして来たんだよ」
隣に降り立った彩に、リュウは言った。
「さぁね。ここまでデカい気がぶつかり合ったら、もう逃げ場はないんだ。それなら、あたしはあんたのそばにいる」
リュウは、そう言う彩を見つめた。
攻撃体制に入っている訳ではなく、彩はただ、そこに立っていた。
その横顔は怯えているようには見えず、むしろ少しだけ満足そうな表情だった。
そして、その右手には、ピンクの桜貝をあしらったかんざしが握られていて。
「――・・・分かった」
リュウはそう言って、実体化を解いたままの左手を、彩の右手に重ねた。
「この世の理を歪め、己の欲望だけに生きる者よ。今度こそ跡形もなく消しさってくれよう」
アヤカシは、すっと片手を持ち上げて、こっちに向けた。
リュウも真っ直ぐに、アヤカシに向かって右手を伸ばす。
「リュウ」
前を向いたまま、彩は言った。
「お前には、あたしがいる。そして美樹もね。だから」
地鳴りのような轟音と共に、リュウとアヤカシは同時に、最大級の衝撃波を放つ。
“一人じゃないんだよ”
そんな彩の言葉は、轟音にかき消された。