A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
「ねぇ彩。運命が・・・変わったのかな」
ふと、そんな風に聞いてくる美樹。
彩は夜空を見上げたまま、クスッと笑う。
「結局は、分からないんだよな。運命なんてのは」
元々、アヤカシにも人間にも、未来は見通せないのだ。
その未来がどう変わったかなんて、所詮分かる訳がない。
たださ、と、彩は付け足す。
「アヤカシとリュウの力がぶつかり合う空間にいて、人間のあたし達がまだこうやって生きているなんて、奇跡だと思うよ。本当ならあそこで、死んでたかも知れない。そう考えると、運命とやらは変わったのかも、って思うけどね」
それを聞いて、美樹も少しだけ笑顔を浮かべた。
「そうかな・・・。何だか、都合のいい解釈みたいよ、彩」
「いいんだよ。何が良くて何が悪いかなんて、決めるのは自分自身なんだからさ」
そうね、と、美樹は頷いて。
「・・・あ」
彩は呟いて、起き上がる。
「どうしたの?」
「今おトキさんが、かんざし持っていったよ」
彩がずっと握っていた美樹の母親のかんざしが、その手から消えていた。
彩は少しだけ、寂しそうな表情を浮かべて。
「やっぱりさ、人間って、アヤカシとは一緒にいられないのかな」
それには、美樹は答えられなかった。
東の空が、少しずつ白み始めて。
怒涛の夜の終わりを告げる。
朝になればまた、いつもと変わらない日常が始まる。
いつものようにお店を開けて、ランチタイムはお客さんで賑わって。
そのお客さん一人ひとりにも、色々な人生があって。
何も変わらない日常。
ただ、そこにはアヤカシはいないのだ。
どれだけ願っても。
「ねぇ、彩」
美樹は呼び掛ける。
「ん?」
「戦いが終わったら、たくさん泣こうって言ってたでしょ?」
美樹の言葉に、彩は苦笑する。
「もう、いっぱい泣いたよ。美樹は?」
「ふふっ・・・わたしも、もういっぱい泣いたわ」
そっか、と、彩は呟いて立ち上がると、美樹に手を差し出した。
「じゃ、帰ろうか」
「うん」
彩の手を取り、美樹も立ち上がる。
服についた砂を払って、二人は『free‐time』に向かって歩き出した。
ふと、そんな風に聞いてくる美樹。
彩は夜空を見上げたまま、クスッと笑う。
「結局は、分からないんだよな。運命なんてのは」
元々、アヤカシにも人間にも、未来は見通せないのだ。
その未来がどう変わったかなんて、所詮分かる訳がない。
たださ、と、彩は付け足す。
「アヤカシとリュウの力がぶつかり合う空間にいて、人間のあたし達がまだこうやって生きているなんて、奇跡だと思うよ。本当ならあそこで、死んでたかも知れない。そう考えると、運命とやらは変わったのかも、って思うけどね」
それを聞いて、美樹も少しだけ笑顔を浮かべた。
「そうかな・・・。何だか、都合のいい解釈みたいよ、彩」
「いいんだよ。何が良くて何が悪いかなんて、決めるのは自分自身なんだからさ」
そうね、と、美樹は頷いて。
「・・・あ」
彩は呟いて、起き上がる。
「どうしたの?」
「今おトキさんが、かんざし持っていったよ」
彩がずっと握っていた美樹の母親のかんざしが、その手から消えていた。
彩は少しだけ、寂しそうな表情を浮かべて。
「やっぱりさ、人間って、アヤカシとは一緒にいられないのかな」
それには、美樹は答えられなかった。
東の空が、少しずつ白み始めて。
怒涛の夜の終わりを告げる。
朝になればまた、いつもと変わらない日常が始まる。
いつものようにお店を開けて、ランチタイムはお客さんで賑わって。
そのお客さん一人ひとりにも、色々な人生があって。
何も変わらない日常。
ただ、そこにはアヤカシはいないのだ。
どれだけ願っても。
「ねぇ、彩」
美樹は呼び掛ける。
「ん?」
「戦いが終わったら、たくさん泣こうって言ってたでしょ?」
美樹の言葉に、彩は苦笑する。
「もう、いっぱい泣いたよ。美樹は?」
「ふふっ・・・わたしも、もういっぱい泣いたわ」
そっか、と、彩は呟いて立ち上がると、美樹に手を差し出した。
「じゃ、帰ろうか」
「うん」
彩の手を取り、美樹も立ち上がる。
服についた砂を払って、二人は『free‐time』に向かって歩き出した。