A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
あの人が誰なのか、考えても分からないないのは分かっている。
だから、美樹はもう考えるのをやめた。
拭き終わった最後の皿を棚にしまって、店の中を見渡す。
エプロンをかけた悠と諒が、いつものようにこっちに笑いかけている残像が見えるような気がした。
ランチタイムの常連さんや、女子高生達と談笑しながら。
「・・・・・」
唯一の、願いは。
こんな光景が、再び日常に戻って来ますように。
美樹は、そっと目を閉じた。
そこへ、看板をしまった彩が戻って来る。
「う~寒い! あったかいのが食いたい」
「お疲れ様、彩。鍋でもつつきながら、一杯やりますか」
「いいね~♪」
鼻歌交じりに、彩はエプロンを外す。
「それでね、鍋の材料、買ってきてくれる?」
「えー・・・この寒いのにぃ~?」
彩はぶちぶち文句を言ったが、そんな彩に美樹は人差し指を突き付けて。
「じゃあ、下準備は彩がしてくれる? わたしが買い物に行くから」
「いや・・・それは・・・」
「今の状況で、一番早く鍋を食べるには・・・」
「あー分かったよ。行きますよ」
もう、彩の扱いは慣れたものだ。
美樹から財布を受け取って、彩は上着を引っ掛けると、寒そうに背中を丸めながら店を出て行った。
美樹は満足そうに、その後ろ姿を見送って。
完全に見えなくなってから、美樹は呟く。
「ねぇ彩。願いは・・・叶うと思う?」
そう言った時、カランコロンと、店のドアに取り付けたカウベルが鳴った。
彩と入れ替わるように店に入って来た人物に、満面の笑みを浮かべて。
「・・・ただいま」
「お帰りなさい、悠くん」
まるで知っていたかのように、美樹は、店に入って来た悠を迎えた。
カウンターから出ると、そのまま悠の胸に飛び込む。
「お帰りなさい・・・!」
噛み締めるように、美樹はもう一度、悠に言った。
そんな美樹を抱きしめて。
「頑張ったね、美樹ちゃん」
涙を流しながら、美樹は悠の胸の中で、何度も頷いた。
だから、美樹はもう考えるのをやめた。
拭き終わった最後の皿を棚にしまって、店の中を見渡す。
エプロンをかけた悠と諒が、いつものようにこっちに笑いかけている残像が見えるような気がした。
ランチタイムの常連さんや、女子高生達と談笑しながら。
「・・・・・」
唯一の、願いは。
こんな光景が、再び日常に戻って来ますように。
美樹は、そっと目を閉じた。
そこへ、看板をしまった彩が戻って来る。
「う~寒い! あったかいのが食いたい」
「お疲れ様、彩。鍋でもつつきながら、一杯やりますか」
「いいね~♪」
鼻歌交じりに、彩はエプロンを外す。
「それでね、鍋の材料、買ってきてくれる?」
「えー・・・この寒いのにぃ~?」
彩はぶちぶち文句を言ったが、そんな彩に美樹は人差し指を突き付けて。
「じゃあ、下準備は彩がしてくれる? わたしが買い物に行くから」
「いや・・・それは・・・」
「今の状況で、一番早く鍋を食べるには・・・」
「あー分かったよ。行きますよ」
もう、彩の扱いは慣れたものだ。
美樹から財布を受け取って、彩は上着を引っ掛けると、寒そうに背中を丸めながら店を出て行った。
美樹は満足そうに、その後ろ姿を見送って。
完全に見えなくなってから、美樹は呟く。
「ねぇ彩。願いは・・・叶うと思う?」
そう言った時、カランコロンと、店のドアに取り付けたカウベルが鳴った。
彩と入れ替わるように店に入って来た人物に、満面の笑みを浮かべて。
「・・・ただいま」
「お帰りなさい、悠くん」
まるで知っていたかのように、美樹は、店に入って来た悠を迎えた。
カウンターから出ると、そのまま悠の胸に飛び込む。
「お帰りなさい・・・!」
噛み締めるように、美樹はもう一度、悠に言った。
そんな美樹を抱きしめて。
「頑張ったね、美樹ちゃん」
涙を流しながら、美樹は悠の胸の中で、何度も頷いた。