A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
☆  ☆  ☆



 こうやってリビングで四人で食卓を囲むのは、本当に久しぶりに感じた。


「でもさぁ。知ってたのかよ、美樹」


 まだ半ば不貞腐れている彩に、美樹はゴメンネと、両手を合わせて。


「ホントはね、知らなかったの。だけど彩よりも先に、二人が帰ってくる気配を感じたみたい」


 マジか・・・と、彩は固まる。
 美樹の感覚は既に、彩を超えている。


「まさか美樹・・・何か力、使ったの?」


 そう聞いてくる彩を見て、美樹は笑って。


「使ってないわ。だけど・・・願ってた」


 願うこと。
 それが、何の力もない、か弱き人間に許された、唯一の能力。
 美樹も彩も、切望していた。
 四人がまた一緒に暮らす、その事を。


「俺たちも、願ってたよ。なぁ、諒」
「あぁ」


 ただそばにいる、それだけを。
 悠も諒も、それを願っていた。
 四人が一緒なら、どこまでも、強くなれる。
 そんな存在に出会えたこと。
 それが運命だと。
 素直に、真っ直ぐに、それを信じるだけだった――。











【Fin】
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