A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
 “気”が届かない場所。
 自然の結界。
 悠はそう言っていたが、ここに来て初めて、彩はその言葉の意味を体感していた。
 ここでは、彩の能力はまるで使えない。


「何だか、普通の人間に戻った気分だね」


 美樹の方に顔を向けて、彩は苦笑する。
 そんな彩を見て、美樹も笑って。


「・・・どんな気持ち?」
「どんな? そうだな・・・」


 彩は少し間を置いてから。


「安心と不安、かな。あたしには、何だかここ、落ち着けるよ・・・」


 そう言って目を閉じた彩は、そのまま寝息を立て始めた。
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