異常な僕等はイタッテ正常

バイトが終わり時刻は午後15時。
学校がある曜日は学校帰りに夜までだが、日曜日はいつも朝8時から始まり、この時間に終わる。

サユも同じ時間に終わり、これから一緒に遊ぼうと二人が帰る準備をしていると、見計らったかのように出てきたオーナーの息子のレイジが、サユを呼び止めた。

仕方なく後でまた待ち合わせをしようということになり、連絡先を交換してからケンイチは一旦帰ることにした。

邪魔されたのが悔しかったが、オーナーの息子だから逆らえないままサユからの連絡を楽しみに待つ。



一時間後、ようやくサユからのメッセージが届いた。
もう会えると言う連絡だ。
たった一時間がこれほど長く感じたことはない。ケンイチは意気揚々とすぐに待ち合わせ場所へ向かった。



再び会うとサユの様子が少し変だ。

レイジとどんな会話をしたのか気になって聞いてみたが、挙動不審な態度で仕事の話をしただけだと曖昧にまぎらわされた。

ケンイチが知っているかぎり、レイジはとても面倒見が良く優しいお兄さんという印象なため、サユに何か危害を与えるような人ではないから、余計とサユの様子に違和感を感じる。

もしかしたらレイジに口説かれたのか?
そう思ったらケンイチは嫉妬心を抱いた。

レイジにサユを取られたくないと考え、ケンイチは必死にサユの気をひこうとまずはカラオケに誘った。

自慢ではないが自分の歌唱力にある程度自信がある。

サユも気持ちを切り替えるかのように、笑顔で行きたいと応えた。



風に吹かれるサユのスカートからチラリと覗く太ももの小さなアザ…。



それにふと気づいたケンイチだったが、その時はまだ深読みなどしなかった。

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