異常な僕等はイタッテ正常
―――そして現在。一週間後。
サユは…即死。
あれからオーナー 一家は葬儀などに追われ、週3で休日と学校帰りに働いていたバイトも、しばらく休みになってしまった。
その時に知ったことだが、実はサユには家族がおらず独り身だったらしい。
オーナーはサユの父親の兄…。
つまり親戚の叔父にあたる存在で、身寄りのないサユを哀れんで生活費も学費も全て面倒を見るために引き取ったそうだ。
葬儀はオーナー 一家が率いて静かに行われた。
未だに状況を把握出来ないケンイチ。
突然の自殺者出現に、すぐ地元と各局のマスコミやパパラッチなどが騒ぎ立て、学校もしばらく全校生徒が通学を自粛させられた。
(どうして気づいて
あげられなかったんだろう…?)
少しの間だが…
あの時すぐそばで一緒に居たのに…。
サユの心の闇に気づかず、ただ単純に浮かれていた自分に深く後悔した。
(あの日に戻りたい…
またサユの笑顔が見たかった…)
日曜日の出来事を思い出し…
ふと感じた違和感。
バイトが終わった後にサユがレイジに呼び止められた時の、一時間。
連絡が入り再び会った時の挙動不審なサユの様子…。
カラオケに向かう時にチラリと見えた太もものアザ。
(…まさか…)
すぐにケンイチはレイジを疑った。
やっぱりあの時に何か酷いことをされたのではないか?
正直…普段は温厚で優しいレイジを疑いたくなかったが、いてもたってもいられないケンイチは、あの時サユと何があったのか知りたくてレイジのもとへ向かった。