絶対日記『REWRITE』
そのとき、麗菜の拳が誠の頬にめり込んだ。吹っ飛んで尻餅をつく、誠。

「痛っ……何すんねん、麗菜!」

「ボケ!誠!目ぇ覚ませ!わかってんか?!死ぬんやぞ!意地でも、見つけるんや!」

そう叫び、廊下を走り出す麗菜。

「麗菜……」

その言葉で誠は立ち上がると、麗菜の後に続いた。

「麗菜、探すって、どうやって」

「わからん!とりあえず、一緒に探しても、意味無い!二手に別れよう!」

麗菜は一階、誠は二階へ上がると再び走り出した。キョロキョロしながら走る誠。すでに生徒はほとんど下校していて、あまり残っていない。

「くっ……」

再び、涙で前が滲む。探している。確かに、行動はスリーを必死に探している。でも、これで見つかるはずはない。それは、二人ともわかっていた。

「うぅ……」

涙を拭きながら思わず、立ち止まる誠。そのとき、麗菜が二階へ上がってくる姿が見えた。

「誠!おったか!」

「おらん……」

誠に駆け寄る麗菜。

「麗菜……」

「何や?」

「もう、いいわ……ありがとう……」

その言葉に、唖然とする麗菜。

「え?」

「もう、いい……」

「もういいって?」

「だから」

誠がそう言いかけた瞬間、麗菜は誠の胸ぐらを思い切りつかみ寄せた。

「何や、もういいって!」

怒鳴り声を上げる麗菜。
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