絶対日記『REWRITE』
怖い…


怖い……



怖い!

誠は、慌てて日記帳を開いた。

「何か…何か、助かる方法!」

そのとき、昨日書いた日記の文字に目がいく。その文字に、怒りを覚えた。

「何が……何が、完璧な作戦や!」

そう叫ぶと同時に、日記帳を壁に叩きつける誠。

……なんでや…なんでや、俺。なんで、たったこれだけなんや…なんで、たったこれだけしか書かんかったんや!

後悔ばかりが頭を過ぎる。

……もっと、書けたはずや。なんで念のために、スリーが見つからんかった時の事、書けへんかったんや!

誠は涙目になり、部屋の壁をガンガンと殴った。

「俺の、アホ!ボケ!死ぬんやぞ!わかってんか!なんで、もっと慎重にならんのや!」

……俺は、いっつもそうや。考えが薄くて、全然計画的に動かれへん。思ったらすぐ行動の、単細胞生物や……

自分自身に、これまでに無い怒りを感じた。そのとき、一階から誠を呼ぶ秋子の声がする。

「誠?どうしたん?」

そう言いながら、秋子が階段を上がってくる。

「なんでもない」

誠の返答と同時に、秋子は誠の部屋の扉を開けた。

「あんた、ここ最近、ずっとやん。大声上げたり、ドンドンうるさい音立てたり…どうしたん?」

その言葉が、いっぱいいっぱいの誠の頭を刺激した。

「なんでもないって言うてるやろ!」

秋子に当たってしまう誠。ハッと我に返ると、冷静になって言った。

「ごめん…ホンマに、なんでもないんや…」
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