絶対日記『REWRITE』
「……そう?なら、いいけど…」

秋子は心配の眼差しのまま、ドアを閉めると一階に降りていった。頭を抱える誠。

「何してんねん、俺…」

自分の情けなさに、呆れ返った。我を取り戻した誠は携帯電話を取り出すと、麗菜の番号を押した。

プルルルル、プルルルル……

「もしもし?」

「麗菜…さっきは、ごめん。まだ協力、してくれるか?」

「……」

麗菜の返事がない。沈黙が走る。

「都合、良すぎるよな……」

誠はそう言うと電源ボタンに指を伸ばした。そのときだった。

「…協力、するに決まってるやろ」

受話器越しに、麗菜が言った。

「麗菜…」

「ほな今から行くから、待っとけ」

麗菜はそう言うと、電話を切った。誠はすぐに、麗菜にメールを入れた。

『麗菜、ごめん。ちょっと、冷静になりたい。一時間や。一時間だけ、時間をくれ。お前が来るまでに、自分を落ち着かせる』

誠は携帯電話を布団の上に放り投げると、座ったまま静かに目を閉じた。

何も、考えない……

何も、考えない……

このままでは、また取り乱してしまう。そう思った誠はひたすら、目を閉じていた。




一時間後。
誠は、自分でも驚くほど冷静になっていた。布団の上の携帯電話が鳴る。麗菜が、来たみたいだ。誠は一階に降りると、玄関と扉を開けた。
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