絶対日記『REWRITE』
「おう」

そこには、麗菜が立っていた。

「どうや、誠?落ち着いたか?」

「ああ」

麗菜は中に入ると、「おじゃまします」と言いながら二階へ上がり、誠の部屋に入った。誠は玄関と扉を閉めると、キッチンにいる秋子に声を掛けた。

「お母さん」

「うん?」

「今日は、ご飯いらんわ」

「今日はって…あんた、最近全然ご飯食べてないんちゃうの、大丈夫なん?」

「大丈夫。それより」

「うん?」

「今日の夜。つまり今から、もしかしたら騒いだり、大声出したりするかもしれへん。でも今日だけは、許して」

「え?」

「お願いや。今は、何も聞かんといて」

誠の様子がおかしいことに気づいた秋子は、しぶしぶ頷いた。

「ありがとう」

誠は二階へ上がると、部屋に入った。麗菜が座っている。

「よっしゃ、やるぞ、誠!」

意気込む麗菜。

「おう」

誠はそう返事をすると、麗菜の前に座った。

「でも、やるって…何やったらええんや?」

誠が言う。

「それを、二人で考えるんや」

麗菜が答えたと同時に、誠の目に時計が映った。

「え?!」

時計の針は、午後8時を回っていた。

「もう、こんな時間?」

その時刻に、焦りそうになる誠。しかしグッと我慢し、冷静さを保った。
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