絶対日記『REWRITE』
電話機を投げ、布団を蹴る。枕をつかむと壁にバンバン投げつけ、MDコンポをガンガン殴った。

「誠!落ち着け!」

「これが、落ち着いていられるか!」

暴れる誠を、麗菜が必死に抑える。二人は息が切れると同時に、時計を見た。


11時、59分。


その途端、誠はヘタリと座り込んだ。

「死にたくない……」

そう呟いた誠は、急に放心状態になった。もう、何も考えられない。

「うわああああ!」

誠は蹲ると、大泣きした。

「くそ!誠を助けろ!くそ!」

麗菜も涙が溢れてくる。何が何だかわからず、とりあえず日記帳を引き裂こうとする麗菜。しかし、ビクともしない。そのとき、運命の時が来た。


ゆっくりと時計を見る麗菜。それと同時に、秒針は0時を指した。

「あ……」

声も出ない麗菜。その場に倒れ込むように、ヒザから座った。そのときだった。



「……え?」





誠が、生きている。





「おい、誠……」

「うわあああ!」

「落ち着けって!時計!時計、見ろ!」

「なんや、死の秒読みでもしろって言うんか!……え?」

誠も時計を見る。確かに、0時を回っている。

「…どういう事や?」

唖然とする二人。顔を見合わせる。

「とりあえず……助かった…」

安堵の息を漏らす誠。それは、麗菜も同じだった。

「よかった……」

嬉しくて、二人で泣いた。しばらくすると、だんだん冷静さを取り戻した。
< 114 / 203 >

この作品をシェア

pagetop