絶対日記『REWRITE』
そこには、日記帳が入っていた。

「…これでも、しらばっくれるか?」

「……どうして、わかった?」

友美が言う。その言葉に、誠は安堵の息を漏らす。

「やっぱり、友美ちゃんやったか…」

「え?」

何がなんだかわからない麗菜。

「おい、どういう事や!説明しろ、誠!」

麗菜の言葉に、誠はゆっくりと口を開いた。

「日記帳は、切られへんはずや。それは、俺が身をもって確認済み。でも、昨日」

「昨日?」

「友美ちゃんが走り去った後、スリーの日記帳の切れ端が落ちてたやろ?」

「あ……」

「切られへん以上、そんな事、ありえへん。俺はそっから、その紙切れは普通の紙やと推測した」

「え?」

「なんで、そんな嘘をつく必要があったんか?それは、友美ちゃんがスリーやからや」

「え……」

それを黙って聞く友美。

「友美ちゃんも、さすがに俺が『校門で挨拶する』って日記帳に書くとは思わんかった。俺の日記通りに声をかけてしまった友美ちゃんは、そのときの俺の表情から感づいて、放課後までにこのニセの紙切れを作った」

「え?どういうことや?」

「つまりそうすることで、見事に俺の裏をかいたように演じた。それと同時に、友美ちゃんがスリーであるっていう疑いが晴れた」

「でも、スリーがお前の日記の文字を直接見てたらどうすんねん?」

「そんな事、できへんと推測したんや」

「え?」

「会話を聞いたりとかもや」

「でも、聞かれてたって言うてたやん」

「その謎を、解く。麗菜、日記帳、貸してくれ」
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