絶対日記『REWRITE』
誠は、考えていた。自分が死にそうになったときの、暴れた様子…ひたすら、恐怖に怯える姿。それは客観的に見ると、あまりにもブザマ過ぎたような気がした。

……友美ちゃんでさえ、死ぬ前やって言うのに、俺らに日記の説明してくれた。……強い。それやのに、俺は…それでも、男か……

誠は、自分が恥ずかしくなった。

「…とにかく、友美ちゃんのおかげで、なんとなく日記の事がわかったな」

誠が麗菜に言う。

「そうやな…まだ、よくわからん事もあるけど。A級やら、何やら…」

「一体、日記って、何なんやろうな…」

「そうやな…」

再び、沈黙が走る。

「あ、麗菜」

誠が声をかける。

「あ?」

「今日でさ、俺、この世からオサラバやん?やから、最後の夜や。一緒に、飲めへんか?」

「あのなぁ…お前、諦めたんか?」

「諦めるって?」

「逃れる方法や!」

その言葉に、希望を持ちそうになる誠。しかし、神のような能力を持つ日記に勝つ方法など、無い。そんな事は、考えるまでもなかった。

「アホ。変な期待、持たすな」

誠は落ち着いて言った。

「変な期待?」

「もしかしたら、助かるかもしれん…逃れられるかもしれん…そんな事思て出来へんかったら、また気ぃ狂いそうや」

「……」

「あの友美ちゃんだって、追加ルールには完全に諦めてた。それが俺らに、解決できるわけないやろ」
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