絶対日記『REWRITE』
泣きながら言う誠。

「お前に、二日連続で野宿させなあかんなんて…」

「だから、もうええって言うてるやろ…それに」

「え?」

「何やっても…無駄や」

「え?無駄って?」

「多分やけど…A級の罪は、誰の助けも借りられへん罪みたいや。現に、お前が必死に金を持って来ようとするけど、絶対に失敗する。しかも」

麗菜は、近くにある電柱の下を指差した。

「え……」

そこには、嘔吐の後のようなものが残っている。

「昨日、お前にもらった天津飯や」

「…吐いたんか?」

「ああ、いきなり気分が悪くなって……」

「え…」

「つまり、助けようとしても失敗に終わる。そういう事やろ、これは。お前、どんな失敗やったんや?」

麗菜が聞く。

「え……まず、金を得たらチンピラに奪われて…次に金を得たら、ヤクザに奪われた」

「やろ?俺だって、昨日お前が学校行った後、チンピラに奪われた。連続でこんな事、起こるはずないやろ。絶対、罪の力が働いてる」

そう言われれば、そうだ。こんな連続して、こんな事が起こるわけがない。

「そんな…」

「まぁ、そういう事や。とりあえず、お前は早よ帰れ。お母さん、心配するぞ」

誠は麗菜にそう言われると、トボトボと家へ向かって歩き出した。そのとき、誠は考えていた。

「じゃあ、立場を交代することも、失敗に終わるんか……?」
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