絶対日記『REWRITE』
麗菜の声に、誠は麗菜目掛けて思い切り拳を振りかぶった。

「おおおおお!」

気合いの声と共に、麗菜の左頬目掛けてパンチを繰り出す。しかし、簡単に避けられてしまう。

「おおおおお!」

再び、右頬目掛けてパンチを繰り出す誠。しかし、これも避けられてしまった。

「そんなもんか?」

麗菜が言う。

「うるさい!」

すかさずパンチを繰り出す誠。それをサッと避けた麗菜は、誠の腹部に前蹴りを当てた。

ドン!

鈍い音と共に、誠は苦しくなり思わずヒザをつきそうになる。だが、グッと耐える誠。

ガッ!

その瞬間、麗菜の拳が誠の頬を捕らえた。誠はその衝撃に、目の前が一瞬暗くなる。

「ぐっ…」

強い。とてもじゃないが、本気になった麗菜はレベルが違う。フラフラと必死に足を踏ん張る誠。

「ぅああああ!」

痛みに耐えながら、精一杯パンチを繰り出す誠。

ガン!

誠の拳は、麗菜の頬にヒットした。一瞬よろける麗菜。

「ぐっ…くそ…」

すかさず、ハイキックを入れる誠。

ドッ!

誠のキックより先に、麗菜の拳が誠の胸部に当たった。

「ゴホッ」

誠は咳き込むと、一歩後ろに下がって構えた。麗菜も、構えてピタリと止まる。
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