絶対日記『REWRITE』
「やれ!やれよ、麗菜!」

「嫌や」

「立てや、ボケ!」

麗菜の胸ぐらを無理矢理つかみ、立たせようとする誠。

「ほら、立てや!」

「誠…忘れたんか?」

「は?」

「お前、今日の日記、何て書いたんや?」

「え?」

そのとき、誠は日記の文字を思い出す。




『麗菜に、喧嘩で勝つ。』




「あ…」

ガクリと、ヒザを落とす誠。

「無駄や。もう、どうやっても、無駄。お前がどんなに必死に負けようとしても、日記の力で、どうしても勝ってしまう」

「……」

「ええやんけ。お前が、生きろ。俺は、最低なんや。自分でわかっとる。死んで、当たり前なんや…」

涙を流しながら言う麗菜。麗菜は死の恐怖に怯えながらも、精一杯笑ってみせた。

「くそ…」

誠は立ち上がると、キョロキョロと辺りを見渡した。

「誰や!誰がやったんや!出てこい!」

誠がそう叫んだとき、麗菜は静かにバタリと倒れた。

「え?麗菜?」

慌てて麗菜を抱き起こす誠。

「おい、麗菜!麗菜!」

返事が無い。

「麗菜!起きろ!寝てる場合ちゃうやろ!」

大粒の涙を流しながら、必死に叫ぶ誠。

「麗菜!」
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