絶対日記『REWRITE』
「誠君……」

誠は叫びながら廊下を走り、階段を駆け上がって外に出た。自分の家に向かって一直線に走った。途中の細い路地で地面にひざをつき、再び頭を抱えて叫んだ。

……俺のせいや…全部俺のせいや!俺がお父さんを…お父さんを殺したんや!俺が日記にあんなこと書かんかったら…日記なんかなかったら!

誠は叫び続け、涙を流した。ずっと父と過ごした日々を走馬灯のように繰り返し、ゆっくりと思い出した。

「お父さん!お父さん!」

何度も叫び、泣き続けた。




もうすぐ日が落ちようとしたとき、泣き疲れた誠は自分の部屋に帰ってきて、放心状態のまま布団に大の字に寝転んだ。頭の中は真っ白で、何も考えられなくなっていた。そのとき、携帯電話が鳴った。

プルルルル……プルルルル……

画面を見ると、知らない番号だった。誠は無表情のまま、電話に出た。

「もしもし……」

「もしもし?誠君?」

「あ、千里ちゃん……」

千里からの電話だった。

「クラスの人に、誠君の電話番号聞いたの。誠君、退学になっちゃったの?ビックリしたよ。今日の麗菜君とのケンカが原因なんだってね。でも大丈夫だよ、日記に退学取り消しって書いといたよ」

「ありがとう……」
< 41 / 203 >

この作品をシェア

pagetop