絶対日記『REWRITE』
誠はペンを置くと、再び大の字になって寝転んだ。




9月9日。

誠は起き上がると、一階に降りて行った。秋子は、すでに朝ご飯を食べていた。

「あ、おはよう誠。……誠?そう言えばその顔の傷、どうしたん?」

一昨日、チンピラとケンカしてできた傷に気づいてそう言った。

「え、ちょっと転んだだけ」

誠は少し俯いて言った。

「そう?それにしては酷いけど……あ、もうちょっとしたら、お父さんのお通夜やから」

「俺……やめとくわ…」

誠は無表情でそう言った。

「なんで?!」

疑問に思った秋子が聞く。

「行きたくないねん……気分悪い…」

「でも、お父さんのお通夜やで?後、警察の方が今日お通夜にお見えになるから、辛いと思うけど、お通夜が終わったら話を……」

「ごめん…」

「あ、ちょっと誠!」

そう言うと、誠は秋子を無視して自分の部屋に戻った。

……何でやろ…こんな偶然あるんやな…よりによって、麗菜をひいたのがお父さんやったなんて…ってゆうか、お父さん……ひき逃げなんて…最低やな……

どうしても信じられないが、現実を受け入れるしかなかった。
< 43 / 203 >

この作品をシェア

pagetop