絶対日記『REWRITE』
こんな状況だと言うのに、キスをされて少し嬉しくなった自分が情けなく感じた。




放課後。
「ほんなら、また明日な」

麗菜は誠にそう言うと、教室を出た。誠は放課後になってもわけがわからず、とりあえず家に帰ることにした。

「ただいま」

帰って来てすぐ秋子にそう言ったとき、またしてもありえない返事が返ってきた。

「おかえり。あ、今日はお父さん誕生日やから、帰って来たら肩でも揉んだりや」

「……え?お父さんって?」

「え?今日はお父さんの誕生日やで?もうすぐ帰ってくるから」

「え……」

……ありえへん。お父さんは、死んだはずや……

誠は携帯電話を取り出すと、父の春男に電話をかけた。

プルルルル、プルルルル…

「もしもし、南原です」

電話の向こうから、確かに父の春男の声が聞こえてきた。

「……お父さん?」

「お、誠か。どうしたんや?」

誠は無言で電話を切った。

……やっぱり、おかしい!絶対おかしい!だいたいお父さんも麗菜も、生きてるはずないんや!今までの事は、絶対夢とかとちゃう!千里ちゃんも……転校なんかしてない!友美ちゃんとも付き合った覚えない!
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