絶対日記『REWRITE』

「千里ちゃん、実は、予想日記を書き忘れてん…どうしたらええ？」

「え？！…世の中に異変は無かった？」

「あった。麗菜とお父さんが、死んだはずやのに生き返ってた……」

「やっぱり…誠君、違う世界に飛ばされちゃったんだね」

「違う世界？」

「うん。ルールを破った人に聞いたことがあったんだけど、日記を書き忘れると違う世界に飛ばされることがあるんだって」

「そうなんや……違う世界って、この世界のこと？」

「うん。実際には存在しない世界。例えば、人間は自分の行動によって人生が変わるでしょ？例えば、本当はＡ高校受験するつもりだったけど、なんとなくＢ高校を受験して、Ｂ高校に通ったとする。でも、もしＡ高校を受験してＡ高校に通ったてら……少しでも道を変えると、その人は全く違う人生を歩むことになるでしょ？出会いも、暮らしも、環境も……。つまり、それが実際存在しない世界。誠君は多分、『麗菜君とお父さんが生きている世界』に飛ばされちゃったんだよ」

「そうなんや…ほんなら、この世界には俺が二人おるってこと？」

「んーん。心だけ飛ばされたから、誠君は一人だよ」

「何かようわからんけど……戻る方法は？」

「簡単だよ。予想日記に、『元の世界に戻る』って書けばいいの」

「……でも、その日記帳が無いねん」

「え？どういうこと？」

「いつも机の棚に入れてたんやけど、無くなってる……」