絶対日記『REWRITE』
「放課後、教えてもらうわ」

「お、そうか」




放課後。
キーンコーンカーンコーンとチャイムの音と同時に、皆がいっせいに席を立つ。誠は麗菜に「ほな、また明日な」と言うと、今朝話をした女の子の席に向かった。

「おっす!」

帰る支度をしている今朝の女の子に、後ろから声をかけた。

「あ、南原君。あのね、学校の帰り道に良い日記帳が売ってる文具店があるの。一緒に行かない?その日記帳で、書き方教えてあげる」

「あ、そうなんや!行く、行く!…あ、ゴメン、ほんならちょっと進路相談室寄ってもええ?先生に進路の相談しよかなぁと思てて…」

「いいよ。どれくらいかかる?」

「すぐ、終わるよ」

「あ、じゃあ私、校門の前で待ってるね」

「おう!…なぁ、まだ俺のこと、警戒してる?」

「んーん。警戒してたら、一緒に日記帳買いに行こうなんて言わないよ」

女の子はそう言って笑顔を見せた。

「そっか、よかったわ」

誠も笑って返した。

「じゃあ、また後でね」

「おう、後で!」

女の子に笑顔で手を振ると、誠は進路相談室に向かった。

「あの子…いい子やなぁ。ずうずうしい俺に、ここまでしてくれて…」

そう思うと、誠は少し頬が膨らんだ。
階段を上がって廊下を左に行くとすぐ進路相談室だ。誠はコンコンと2回ノックして、「失礼しまーす」と言ってドアを開けた。

「何や?お、南原やんけ」
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