イジワル同期の恋の手ほどき
これで最後となると、やっぱり気合が入る。
スタミナも彩りもバッチリ、味付けも宇佐原好みにしたし、これで文句はないはず。
もちろん、卵焼きも入っている。
おそるおそる蓋を開ける宇佐原。
「今日は、普通だね」
泉田さんに冷やかされているのを見るのは、何だか痛快。
少しだけ意地悪な気持ちでほくそ笑んでいた。
「見てみて! やっと合格点もらえたの!」
″合格″と書かれたメモを、月世に見せびらかす。
「あっそう、よかったね」
大喜びではしゃいでいると、月世はなぜか冷ややかだった。
「一緒に喜んでくれないの?」
「あたり前でしょ。あきれるじゃない、あんたたち。いいかげん、気づきなさいよ」
ため息交じりに言われて、首をかしげる。
「気づくって、なにに……?」