ワレワレは宇宙人だ?!
第四章 花ざかりのオタクたち(笑)

特撮への憧れ?!

「げんちゃん特撮好きだったよね?」

ある日、総統がそう聞いてきた。

実は彼女。セルマニア仲間のMさんに誘われ、後楽園に通い詰めていた。

当然、小石川後楽園とかではなく、後楽園ゆうえんち(現、東京ドームシティアトラクションズ)の事である。

前から、遊園地の野外劇場には、様々なアトラクションがやっていた。

小学生の時、親に連れて来て貰った時も、ヒーローショーがやっていて、仮面ライダーストロンガーとV3のアクションを観覧した覚えがある。

ライダーショーからゴレンジャーを経て、後にスーパー戦隊と言われる、東映の戦隊ものシリーズが、後楽園ゆうえんちの野外劇場の定番となった。

その野外劇場を最近、総統はMさんと毎週のように訪れていた。

その当時、野外劇場では確か、大戦隊ゴーグルVのアクションショーがやっていたと思う。

「アクションが凄い!」

そういう彼女と私もいつしか、後楽園に通うようになっていた。

当時の観客層は、98%が親子連れ。
うち1%はアクションを担当しているJACのファン。
そして、あと1%は私らのような「馬鹿」であると、Mさんは笑って言っていた。

その1%の馬鹿だった私たちに、野外劇場の方々は寛大だった。

やがて、総統とMさんを中心とした、野外劇場の私設応援団のようなFCを立ち上げ、いつの間にか、当時の後楽園から野外劇場の同人誌を出す事までも許可して貰ったらしい。

ある時、総統が、千秋楽か初日に野外劇場見に行こうと誘ってくれた。

千秋楽とは一年やっていた「ゴーグルV」が野外劇場でも最終回を向かえ、後番組の「科学戦隊ダイナマン」に引き継ぐ事である。

初日とはそのダイナマンが一年に及ぶ、アクションショーのまさしく初日の事である。

どちらも、TVに出演する、戦隊の役者さんたちが、その日だけ出演するのである。

1%の馬鹿が、親子連れを差し置いて一番前の席を陣取り、FCのスタッフはカメラを構え、私と総統は、この日ばかりはミーハーのお姉ちゃんと化し、出演された、春田純一さんや沖田さとしさんに黄色い声を上げた。

もう1%のJACのファンは後ろで呆れ、98%の当時の親子連れは、驚いたことだろう。

握手して下さった春田さんの手の温もりは今も忘れられない。

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