あの頃のままで
私が作ったウェルカムベアは、会場の入口に仲良く並んでいた。


「そうだ。先輩はもう遥のウェディングドレス姿見たの?」

「今日はまだだよ。多分、もうすく来るんじゃないかなぁ?でも、前撮りでもう何回も見てるからなぁ。」


「本番と前撮りじゃ、気持ちが違うよ!先輩、きっと緊張してるんじゃない?」


「たぶんね…」


ふふっ。遥がにっこり笑った顔を見て、どこか安心した。


「その顔見て安心したよ。プロポーズされたって、動揺して電話してきた時は焦ったけど…」


「うん、もう大丈夫。あの時はありがとうね。美咲がいたから私、先輩と向き合えたんだ。」


遥の顔には、もう自信しか感じられなかった。


「ご新婦様。新郎様がおいでですよ。」


式場のスタッフさんが、遥に声をかける。


「遥!堂本!」


入口から、なぜか私の名前も。


「先輩…わー!やっぱりかっこいいですね!さすが!」


思わず叫んじゃった。


だって、どこから見てもイケメン!


先輩は昔からかっこよかったから、白のタキシードもとても似合ってた。



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