幼なじみのきみ(仮)
「おはよ」
「琳、あんた目覚ましを役に立てないでどうするの」
「どうもしない」
「あんたって子は…」
呆れる母親を無視し、私は自分のいつもの場所に座り朝食を食べ始める。
「なんだ、朝ごはんフレンチトーストじゃん」
私の目の前には確かにタツが嘘と言ったフレンチトーストが置いてある。
タツは自分の分のフレンチトーストを食べ終えてから一言。
「下げてから上げたほうがテンション上がるだろ」
「テンション上げる必要あるか?」
「ない」
「帰ってください」
両親は私とタツの会話に慣れているのでニュースを見ながらフレンチトーストを食べ続けている。
さすがに私の言葉遣いは注意されたが。
しばらくして私も食べ終わり親に作ってもらった弁当をリュックに入れる。
「お邪魔しました」
「こちらこそ琳起こしてくれてありがとね」
「朝から嘘をつかれた私の身にもなって欲しい」
「お前が目覚ましで起きないのが悪い」
「すみません」
私にまた呆れた母に見送られながら私とタツは家を出た。