幼なじみのきみ(仮)
「んー…今日は良い天気だねー」
「だなぁ」

私とタツは学校までの道のりをぽつぽつと喋りながら歩いていた。

私、井良沢 琳(いらさわ りん)とタツはいわゆる幼なじみと呼ばれる関係である。
仲は見ての通り悪くはない。

「風も良い感じに吹いてて気持ち良いよなぁ。…まぁ、お前のスカートがめくれても俺は喜ばないから安心しろ」
「喧嘩売ってんの?うん?」
「大丈夫、お前の今日の下着の色が黒ということは俺はもう既に知っている」

こいつ…、先に下に降りたはずではなかったか。

「何故そのことを知っているのか」
「下に降りる前に覗いたから」
「やめてください」


タツとの会話はいつもこんな感じ。
こういう風に話す相手は他にいないのでお互い気のおける仲なんだと思う。

口が悪くなる相手もタツだけだがなんだかんだタツといると落ち着く自分がいる。
家族と話してて落ち着く感じ。

「ん?琳、どうした」
気づいたらタツのことをじっと見つめていたらしい。

「いや、タツとの会話落ち着くなぁって」
「あーそうだな。なんだかんだ落ち着くな」

こういう会話もちゃんとするのである。

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