幼なじみのきみ(仮)
私は目の前の景色から少しタツのほうに目を向けた。

「私タツに琳って呼ばれるの好きだよ」
「おー良かった。俺もお前にタツって呼ばれるの好きだぞ。…あ、たまに龍樹って呼ばれるのも好きだな」

初耳である。
タツは気にした風もなく空を見上げながら歩き続ける。

「知らなかった」
「知ってたら気持ち悪いだろうが」
「確かに」

そんな会話をしてるうちに学校に着いた。

下駄箱のところに行くと親友の辻元 花蓮(つじもと かれん)が上履きに履き替えているところだった。

花蓮は私たちに気づくとひまわりのように明るい笑顔で手を振ってきた。

「二人ともおはよう!」
「花蓮おはよー」
「辻元はよ」

花蓮は今日も可愛らしい雰囲気が漂っている。私に比べて女子力がかなり高い花蓮はいつ見ても可愛い。

花蓮は私たちを交互に見るとまたにこりと笑い、
「今日も仲良く一緒にきたんだね」
「ん、タツに起こしてもらったついでにね」
「そうそう、起こしてやったついでに」

そっかぁ、と満面の笑顔の花蓮は日直があるとかでパタパタと先に行ってしまった。


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