大好きな君へ
あなたとの日々
今日は、いつもとちょっと違う日。
特別な日。
「あ、和弥?わたし。今日は早く帰るから。うん。」
だから、わたしは少し浮かれていた。
「今会社を出たところ。え、今日?・・・今日はシチューがいい、かな。」
もう少し、注意していれば、
「作るにはまだ早いでしょう。待ってて。買い物、わたしも一緒に行く。」
もう少し、回りを見ていたら、
「“一人で大丈夫”?そう言ってこの間、現金、カード、免許証が入った財布を落としたのは誰?」
こんなことにはならなかった。
「親切なひとが拾ってくれたからいいけど、盗られてたらどうするの?駄目。今日はわたしも行く。決定。」
一緒に買い物へ行って、
「えっ。いや、それは・・・まぁ、わたしも買いすぎるところはあるけど・・・。でも、たまにはいいでしょう。」
一緒に夕食を食べて、
「とにかく、わたしが帰るまで待ってて。」
鞄に入れた、コレも渡せていた。
「駅に着いたらまた電話する。
今日はね、話したいことがあるの。大切な話。だから・・・え・・・?」
キィィィィィィィィィィィィッ
ガンッ
「・・・陽菜?・・・陽菜!?」
その日、なんの前触れもなく、
わたしは死んだ。