大好きな君へ
車にぶつかってすぐ、わたしは気を失った。
次に目を覚ましたのは、救急車の中だった。
「陽菜!おれっ・・・わかるか!?」
すぐとなりに彼はいて、
涙目になりながら、わたしに叫んでいた。
「もう・・・大丈夫だからさ!・・・・絶対、助かるからっ」
目からポロポロ大粒の涙を流しながら、だけど
わたしに笑いかけながら、励ましてくれた。
だけど、わたしには分かっていた。
もう無理だってことを。
助からないってことを。
それでも、必死になって
わたしに声をかけ続ける彼をみていると、
“まだ生きたい”って気持ちが抑えきれなくて、
わたしの目からも、涙が流れる。
「かずや・・・ごめん、ね」
あなたを一人にしてしまうこと
「は・・・何言ってんだ・・・」
先に行ってしまうこと
「ごめん・・・ごめ、ん・・・」
もう会えないこと
「もうしゃべんなよっ・・・ふざっけんな!
絶対助かるっ!絶対っ・・・ぜ、ったい・・・」