滴る雫は甘くてほろ苦い媚薬
結婚に願いを込めて
♪♪♪♪〜。
ーーまだ眠い…。
♪♪♪〜。
ーー休みの日くらいゆっくり寝かせてよ…。
♪♪♪♪〜。
「んもぅ!!」
けたたましくなる着信音に痺れを切らした私。
ガバッと勢いよく布団から出て、テーブルの上にあった携帯を手に取った。
「ーーもしもし!?」
最近残業続きでなかなか寝る時間もない私にとって、
貴重な睡眠時間を邪魔されるのが何より許し難いことだったのだ。
なので、無意識に口調までイライラしてしまう私。
ーー朝っぱらから誰よ…っ!
『もしもし?』
電話の向こうから聞こえてきた声は予想外の相手だった。
半分寝ぼけていた頭が一瞬で目を覚ました。