滴る雫は甘くてほろ苦い媚薬
だが、自分が思い描く理想の結婚はあまりにも現実とかけ離れていて、
ホントこのままだったら婚期を逃してろくに親孝行出来ないまま、別れてしまいそう。
「はぁ〜…」
箸を持つ手が自然と止まり無意識に深いため息が出る。
ー♪♪♪♪♪〜
そんな時、突然携帯が鳴った。
ーーお母さん、地元に着いたのかな?
バックに入っていた携帯を手探りで探し出し、手に取って待ち受けを見ると、
そこには見知らぬ番号が。
もちろん実家の番号ではないし、携帯からの着信だ。
普段からあまり知り合いと連絡を取り合わない私にとって、
知らない人からの電話をとるのは若干気が引けるが、一向に鳴り止む気配がない。
「…もしもし?」
仕方ないので、とりあえず電話に出てみることに。