滴る雫は甘くてほろ苦い媚薬

既に飲み会が始まって早一時間。



なのに周りはだいぶ酒が回ってるのかへべれけ状態だ。




「藤堂さーん、今回もいい仕上がりですよぉ」

「おい、明日も仕事だぞ?大丈夫か」




へへへと顔を赤くした男性が、私の隣に座る俊介にとぐろを巻く。


しかし俊介は酔ってる感じはなく、心配そうに仲間を介抱している。




ーー俊介はお酒強いからなぁ…。


付き合ってる時も何度か飲んだ事あるが、
まず潰れた姿は見た事がない。



いつま私が先にダメになって、あの仲間のように最終的に介抱してもらう。というオチだ。






「部長〜っ、いっぱい飲んで下さいよぉ」



その時、私から少し離れた位置に座る彼から女性の声が聞こえてきた。





「ありがとうございます」


空いたグラスに酒を注がれてニッコリ笑う彼。


両隣には女性がいてまさにハーレム状態だ。



チームの中で一番の年下で部の長を務める彼は、
違う部署からも黄色い声が飛ぶ程人気があった。

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