滴る雫は甘くてほろ苦い媚薬
「いっ!」
歯型がくっきりつくぐらい噛んだ痛みでつい歯を食いしばってしまった私。
わざとでなく無意識に言ってしまった言葉なのに、わざわざこんな仕打ちをしなくても…!
「今の俺イライラしてんだよね。憂さ晴らしにちょっと付き合ってよ」
そう言った瞬間、蒼は無表情で無理矢理私の服を引き裂き出した。
「ちょっ、やめてよ!何するの…!」
体を捩らせながら嫌がる私を物ともせず、意図も簡単にビリビリに破り捨てる蒼。
それはまるで、
ただ欲望のままに感情のままに行動している獣のような姿だった。
「いや…っ」
いつも私の事を考えてくれて、
心配してくれて、
さりげなくフォローしてくれて、
優しくて、
胸が熱くなるような言葉をかけてくれて、
何よりこんな私を好きだと言ってくれた蒼はこんな人じゃ…!
「泣いても許してやらない」
蒼は不敵な笑みを浮かべて、
私を強引に抱いた。