滴る雫は甘くてほろ苦い媚薬
それに直接私に対して手を出しているわけじゃないから、
何を追求しても知らないの一点張りのはずだ。
確かに嫌な思いしたけど、
でも大丈夫って思えたのは蒼が隣にいてくれたから。
何があってもこの人は私の事を守ってくれるんだって、安心出来たからだ。
それだけ蒼の存在は私にとって無くてはならないモノへと変わっていた。
「いなくなったらどうしよう…。アメリカとかに帰っちゃったら…」
三ヶ月しか日本にいないと聞いたときは驚いたけど、まだ後一ヶ月もある。
でも今日の事件が上にバレて、何かしらの処分が下ったとしたらそのままいなくなってしまうんじゃないだろうか。
「で、でもコネあるし!大丈夫!だよね」
無理矢理そう自分に言い聞かせて、納得させる。
彼はフリーターかもしれないけど、
私の上司でもある!!
簡単にやめるなんて、絶対に許さないんだら!!
やかんから蒸気が吹き出して、私はコンロを止める。
そしてカップラーメンに湯を注ぎ込んで三分後、心の有耶無耶を消すように食べ出した。