滴る雫は甘くてほろ苦い媚薬
正直な言葉、全てを
傷心旅行で出会ったナゾの少年。
年下で生意気なクセに、
優しくて頼りがいがあって、悔しいけどかっこいい。
一夜限りだけ共にして、
もう会えないんだと彼を残して一人帰国。
その先で待っていたのは、
私を振った元カレと同じ職場で働く無残で傷を抉るような毎日。
でも少しずつ慣れていかなくちゃと思っていた矢先に突如として現れた人。
「また会えたね、奈緒子さん」
あの時の少年がスーツを着て、
大人びた容姿をして、
私の上司として再び姿を見せたんだ。