滴る雫は甘くてほろ苦い媚薬
「そう、蒼…っ、」
蒼に淫靡な姿をさらしながら、譫言のように名前を呼ぶ。
薄れゆく意識の中で、
私は蒼と初めて体が重ねた時の記憶が過った。
あの時は蒼の名前すら知らず、
どんな人間なのかさえもわからなかった。
ただの赤の他人の私にいろいろ構って付き合ってくれる、年下の生意気な青年。
としか思えなかったんだ。
それから数ヶ月経った今。
蒼に対して恋愛感情を抱いてる自分の姿なんて、
あの頃の私には想像も出来なかっただろうな。
それだけ蒼が私に与えた影響は言葉では言い表せないぐらい大きかったんだ。
蒼の動きが一層激しくなり、
私は全身全霊でその欲望を受け止める。
脳に直接訴えてくる刺激が体を更に熱くさせていく。
最奥まで突かれる度にベッドがギシギシと鈍く音を立てる。
「もう、だ…だめ…っぁあ!」
「俺もヤバいよ…、一緒に、イこう…?」
蒼は最後の力を振り絞って私を大きく揺さぶりながら、グッと歯をくいしばる。
そして私も押し寄せてくる絶頂に、
ただ身を任すしか術を持ち合わせていなかった。