滴る雫は甘くてほろ苦い媚薬
「自分の父親ともあんなに喋った記憶ねーかも」
すっかり意気投合した二人は酒を酌み交わすほど仲良くなったそうだ。
その光景を眺めてるこちらも何だがほっこりしたが。
「ますますヤル気出てきたぞ…。早く師匠に認めてもらうために頑張るぜ」
「師匠?」
「いや、だってどっからどう見ても師匠でしょ!そう呼ぶって決めたんだ」
娘婿に師匠と呼ばれる義理の父親もなかなかいないだろう、
というか絶対にいない。
「ね…、奈緒子さん?」
「ん?」
「そっち…、行ってもいい?」
蒼が甘えるように呟く。
その子供のような言い方にキュンキュンしながら、仕方ないなぁとわざと上から目線で返した。
もそもそと動き出して、自分の布団から私の布団に潜り込んできた。
「あったけぇ。いい湯たんぽ代わりだ」
「湯たんぽ〜!?」
「はいはい怒らない。お腹に響くぞ〜」
いひひと笑って抱きつく蒼に、
もうと頬を膨らませながら私も背中に腕を回した。
「お腹大きくなったら当分は抱きつけないからなー、今のうちいっぱいしとく」