滴る雫は甘くてほろ苦い媚薬
こうやって直に人肌に触れたのはどれぐらいぶりだろう。
カレは淡白で頻繁にセックスを求めてくるような人じゃなかったから、
へたしたら何年ぶりかもしれない。
床に脱ぎ捨て散らばった男女の服。
漏れる吐息と荒げた息遣い。
外の雨音が激しくなるにつれ私達の行為も激しさを増していくーー。
音をたてながら何度も組み交わすキスはとても情熱的で濃厚だった。
今までに経験したことがなく、
私は彼の舌に必死についていくのが精一杯。
「はぁ…っ、ん…ぁ」
彼の大きな手で両頬を包まれながら、何とか食らいつく。
アルコールの酔いとキスの感触があまりにも心地よくて、
脳が蕩けてしまうんじゃないかと錯覚さえしてしまうほどだ。